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40歳までにとりあえず1億円目指しましょう

個人が投機をしてはいけない3つの理由

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 目次

 

個人が投機をしてはいけない致命的な理由

 

投機においてはゼロサムゲームの要素が強いことはお話した通りです。

ゼロサムゲームの場合、以下のことが重くのしかかってきます。

 

① 個人の資金は有限である(極めて小さい)

② 人間は感情を持っている

③ 取引手数料がかかる

 

 

①資金が多い人が断然有利

 

あなたがもし全財産100の金で+50 or -50ギャンブルをしたとします。

そして運悪く1/2の確率に恵まれず50になってしまいました。

 

次にあなたが行うのは、50の金を +25 or -25にするギャンブルになります。

そこで運よく勝った場合は、75の資産となる。

だけどもしまた負けてしまった場合、資産は25となってしまいます。

 

ここで重要なのは1勝1敗した場合でも、資産が100→75に減ってしまうことです。

100→50になるよりも、50→100に戻す方がはるかに大変だということです。

 

ところが1000の金を持っている人は違います。

まず1500 or 500になるようなギャンブルは行いません。1050を狙ってきます。

950になったとしてもまた+50を何度でも狙えます。単純に機会の数が増えます。

機会の数を確保することは投機において最も重要なことの一つです。

 

また実際のところ相手は1000どころではなく、5000とか30000の戦闘(資金)力をもっています。

こちらの100など彼らが通りがかっただけで吹き飛んでしまいます。

 

そして人間には限界効用逓減の法則があります。

例えば全財産100万円 → 0円 or 200万円になるギャンブルをする人はいるでしょう。

しかし全財産10億円 → 0円 or 20億円になるギャンブルを選ぶ人は極端に減ります。

金額に対する効用(嬉しさ悲しさ)は、金額の増加と共に減少していくからです。

 

資金が有限(少額)であることや、限界効用逓減の法則からマーチンゲール法*1サンクトペテルブルクの法則*2は成立しなくなることが説明されています。

要するにギャンブルはただの理論上の数字遊びでは成立せず、根本的に資金の多い人間が有利なように出来ているということです。

 

また他に重大な問題として、証拠金不足の『強制決済』があります。

例えば夜中に激的な市場の変動がありました。だけども翌日には元の値に戻っていたとしましょう。

あなたの投機していた資産100万円はどうなっているでしょうか。

 

もし自身の読みが当たっていた場合。

今は元値に戻っているのであなたの資産100万円は増えも減りもせず100万円のままです。

 

しかし読みとは逆に値動きした場合。

あなたの100万円は0円になっています。

投機商品は元値に戻ったにも関わらず?

 

あるいは急上昇大暴落が同時に起った場合はどうなるでしょうか。

読み自体は当たりもハズレもしているわけですが、この場合もあなたの100万円は0円になっています。

 

有限の資産においてマイナスは許されません、資金が底をついた時点で強制的にロスカットされますのでこのような理不尽が起こるのです。

 

しかも0になるより悪いことも起こります。

強制決済がコンピューターの処理能力や行列待ちで遅れることがあるからです。

その場合、指値や逆指値も簡単に突き抜けていきます。

最悪の場合、資産がマイナスに突入することもあります。

朝起きたら100万円が0になるどころではなく-100万円になっているとか目を疑うような笑えない事態になっていることも有り得るのです。

 

 

②感情がパフォーマンスを悪くする

 

Q1: 100%90万円貰えるか、90%100万円貰えるか (10%で0)

    あなたはどちらを選びますか?

 

多くの人は確実に90万円貰うことを選ぶでしょう。

 

Q2: 100%90万円損するか、90%100万円損するか(10%で0) 

    あなたはどちらを選びますか?

 

多く人は10%のギャンブルに賭けるのでないでしょうか。

 

これが正常な反応ではありますが、2つの答えは全く矛盾しています。

なぜこうなるのかといえば、損失の痛みを避けることが人間(動物)の本能に深く刻み込まれているからです。

これをプロスペクト理論と呼びます。

 

この本能こそが取引のパフォーマンスを著しく悪くしてしまいます。

 

損を確定させたくないという気持ちが、損切りのタイミングを必ず遅れさせます。

しかし一方、勝ちにはおおらかで一定の満足ラインで切り上げてしまいます。

 

例えはあまりよくないかもしれませんが、パチンコで考えます。

釘や設定が良いとわかっているにもかかわらず当たりの運に恵まれず途中で切り上げてしまう行為

逆に大当たりの連チャンが止まらず出玉を回収しきれないまま閉店を迎えてしまった。

にもかかわらず、目の前の大量の出玉に満足してしまう行為

これらがどれほど無駄な行為なのか理解出来ない人は、けっこうヤバイと思います。

まぁ儲けようと思っておらず趣味でやってるなら別にとやかく言いませんが。

 

私自身もどちらかというとストイックな方ですが、それでも昨日決心したことが今日には揺らいでいることがあります。

 

世界一の投資ファンドの超敏腕マネージャーであっても、そのパフォーマンスはサイコロに劣るということは有名な話です。人間が人間である以上当然ともいえます。

 

そのことを最も理解し人類最高峰の投資成果を上げてきたあのバフェットであっても、自身の90年の投資哲学をたった2ヶ月のコロナ禍影響において大きく修正しました。

 

人間が感情から解放されることはありません。

ですが出来るだけ感情に振り回されないようにすることは出来ます。

それは余裕訓練です。

 

サラリーマンで投資を行うのであれば、今まで以上に仕事を充実させることで金銭的にも精神的にも心の余裕を得られます。

間違っても株価が気になって仕事も手につかないという状況にはならないで下さい。

 

また余力現金に対し投資比率を低めに抑えることもかなり効果的です。

仮に投資金が0になってもいいやと思える気持ちがあれば最強です。

ただし、もっと投資しておけばよかった~!という感情もまた強烈ですのでバランス感は必要です。

 

メンタルは訓練で鍛えられます。すなわち実際の投資経験を積むことです。

酸いも甘いもとにかく重ねることでメンタルはどんどん強くなっていきます。

ただし 大きく賭けること=メンタルの強さ ではありませんので注意してください。

時には投資したい欲望を抑えることもメンタルの強さです。

 

プロスペクト理論でいくと、負けが込んだ人間ほどそれを取り戻そうとします。

平常時では有り得ない明らかに自身の許容範囲を超えた賭けをやってしまいます。

痛みがある一定を過ぎると、どんどん痛みに鈍感になってしまうからです。

 

100万円を負ける痛みは最初は強烈でしょう。

ですが900万円の損失が1000万円に広がることは同じ100万円の損失なのになんとも思わなくなる。

これが危険なのです。

そこで一発逆転の1000万の賭けに出てしまうのは、“メンタルが弱い”ことが原因です。

 

少しづつ訓練していって、メンタルを徐々に鍛えていきましょう。

(投機じゃなく投資で)

 

 

③手数料の罠

 

ネット取引が主流になったことで昔と比べ劇的に取引手数料は安くなりました。

それでも、手数料が積み重なるとバカには出来ません。

というより仲介業者はこれで飯を食べています。

 

資金も潤沢にありいくらメンタルが強くても最後に効いてくるのは手数料です。

不動産屋や先物業者がしつこく営業を掛けてくるのも、

銀行からすぐに投資信託を勧めてくるのも、保険屋が保険を売ってくるのも、

証券会社が大きなキャッシュバックをしてでも口座を開かせようとするのも、

全て手数料が目的です。

カジノでさえ別にイカサマで儲けているのではありません。

設計的にはルーレットの0と00だけ(要は手数料)で儲けているのです。

 

FXでも100万円分の取引をするのに、必要な手数料はいまや30円程度です。

これだけ安いなら、ちょっとぐらい…と思うかもしれません。

 

ところが価格変動が激しい場合、スプレッド(取引コスト)が大きく開くことがあります。

つまり上の方に述べたような証券会社のコンピューターの処理遅れが発生した場合、証券会社はそれで損するリスクを取りません。

証券会社がそのリスク減らす為に、取引コストを急激に値上げするわけです。

この負担は全て個人に掛かってきます。

リスクだけはこちらに押しつけてあくまで手数料で稼ぐわけです。

 

その反面長期投資なら、手数料は気になるレベルではなくなります。

 これが長期投資の良さの一つでもあります。

 

 

 以上、投機をしてはいけない3つの理由について話しました。

①不公平な戦いである

②感情が邪魔をする

③手数料のピンハネ

 

これらのことを意識しながら、上手に投資していきましょう!

*1:負ける度に倍額BETして1回の勝利で負けを取り戻す作戦。株でいうとナンピン買いに近い。負ける可能性は下がるが、連続で負けた場合の損失が果てしなくなる。とある大企業D社の経営者が100億円以上負けた事件などが有る。

*2:胴元の資金を∞であると仮定した場合、不利な賭けであっても高額の参加料を払い参加してもよいことになる。しかし現実は胴元の資金は有限であり、賭けに払ってもいい参加料は極わずかとなる